掲載していただきました
三寒四温の毎日が続いています。年明けから、3月の函館の展示会に向けて作品づくりに邁進しているせいか、気温の上がり下がり(特に下がり)があんまり気になりません。
陽気な古典柄が織り上がり、ただいま空の布第3弾、くすんだ青色の帯地を作っています。遠くから見たときに、色の境界線がはっきりせずボワ~とした部分があり、かつはっきりした青ではなく、ちょっとくすみのある青を表現したくて織っています。
織り上がったら長く垂らして、少し離れて眺めてみたいと思っております。
さて、冬の寒い時期に取材に来ていただいた記事が掲載されているので、お知らせいたします。神姫観光さんのウェブマガジン “ゆい” でご紹介いただきました。丹波篠山の陶芸家の方やガラス作家さんと共に掲載いただいております。
よろしければ、ご一読ください。
https://yui-shinkibus.com/yuistyle/ooo/
また会えるかな~
寒い日もありますが、梅の花が咲き始めて春が遠くの方からやってきていることを感じます。
3月の展示会に向けて超特急で制作を進めています。空をテーマにした布の二本目が織り上がり、陽気な古典柄も織り上がって、今は残り糸を合わせながら、空の布3本目の経糸の準備をしています。
忙しくも、ずんずん制作が進むことに楽しさを感じています。
工房では、ラジオや音楽をかけながらグッと集中して制作をしていますが、先日昨年三月に亡くなったココさんの気配を感じ、とても懐かしく寂しく、そして穏やかな気持ちになりました。
ココさんがいなくなってから、友人知人ご近所の高齢犬たちがポツポツと旅立って行き、重なる偶然に不思議な気持ちになります。
そして、犬だけではなく昨年夏と冬に仲良くしていた地元のおじさんが旅立って行きました。料理屋さんとパン屋さん。二人の面識はなかったと思いますが、私が丹波に来てから仲良くしてもらったお二人で、料理屋さんからは時折蕗味噌や山椒味噌などを小瓶に入れて分けてもらったり、パン屋さんとは色んなことを語り合いました。別れはいつかは来るのでしょうが、こんなに急に早く来んでもええのに、とついつい愚痴りたくなります。
R.I.Pなんてまだ言いたくないけど、安らかにお眠りください。そして、ありがとうございました。
my own rules
暖かかったり、寒かったり、風が強かったりと、お天気が目まぐるしく変わっています。まだまだ寒い日が続いていますが、時折風や空気からふっと春の気配を感じる時があります。明日は立春。春が近づいて来てるのかな、と嬉しくなります。
さて、制作の方は3月に行われる個展に向けて、急ピッチで進めています。先日、私の制作テーマになった「空」シリーズの第2弾、暗くて何かが起こりそうな迫力のある曇り空をイメージした八寸帯を織り上げました。
そして今回のテーマは空からいったん離れて、“陽気な古典柄”。昔織られていた布団柄の中に好きな縞があり、今までも何度かリピートしたりアレンジしたりしています。今までは青の濃淡や、茶色と緑、青の組み合わせといった、昔から織られていた色のパターンで縞を立てていましたが、今回は黄色と明るめの青で縞だてをしてみました。
前々から、古典柄を黄色でやってみたらどうなるだろう?と思っていたので、今回は実験的な要素もあります。ちきり巻きが終わり、機上げ作業中ですが、古典柄はやっぱり茶と緑、青の組み合わせがしっくりくるのかな、と若干自信を無くしながら、明るくてこれもありかな、というポジティブな気持ちが行ったり来たりしています。緯糸を入れてどうなるか、とても楽しみです。
今回、黄色が主体の帯地ですが黄色はタンニンを含む茶系や藍染の青と比べると、褪色が早く進む色です。褪色がゆっくり進むよう、染色の際に染め重ねをしたり草系(こぶな草)だけでなく、木の皮(ヤマモモの皮)を混ぜて煮出したりと工夫をします。
それと、もう一つ黄色を使う際に自分に課していることがあります。
それは、縞だての際に‘’長い年月を経て黄色は少しづつ薄くなっていく”という事を念頭に置いて、デザインするという事です。
植物で染めたものは、経年変化が必ずおきます。水を通り使われ徐々に薄くなることを受け入れ想像しながら、縞を立てるようにしています。水を通れば色が冴え好きっとしてくる藍の色と、少しずつ年月をかけて薄くなる黄色を頭に描きながら、そんな経年変化も楽しんでもらえるような、長く使っていただける布を作りたいとあらためて思いました。