Deeply touched

ehhbitions

exhbitions

寒い冬をじっと耐えていたら、二月はどこ行ったん?と思うほどに時がサーっと流れて、3月になっています。そして急に暖かくなり、活動を始めた虫や植物たちが同じようにモソモソと気ぜわしくなってきました。

少し前のお話ですが、年末主人が展示会などでほぼ家に居らず、ワンオペで家の事を頑張った自分へのご褒美を兼ねて、東京に一泊の一人旅をしてきました。久々に持てる一人の時間が楽しくとても解放された時間を過ごすことが出来ました。
その旅の目的が、二つの展示会を見る事。一つは“民藝の100年展”そしてもう一つが大好きな染色家“柚木沙弥郎”さんの展示会でした。民藝の100年展は“民藝の”流れがよく分かる内容でした。こちらは、目と頭がよく働いてくれ、色んな知識が入ってくれたように思えます。
柚木さんの方は、心がぶるぶる震えるような感覚で、深く感動することはこういうことか!と思いながら作品を眺めました。色の使い方や、組み合わせ、ユーモラスで力強い形を楽しみましたが、中でも柚木さんとまどみちおさんのコラボ絵本「せんねんまんねん」には、心を動かされ、もともと好きなお二人というのもあるのですが、これ大好き!と顔が自分でもわかるほほころんでいました。

二つの展示会を満喫し、丹波布仲間との喋りまくりのランチも楽しみ、無事に丹波に戻ってきました。
快く送り出してくれた主人に感謝し、1日ぶりに出会う子供たちの元気さと明るさを楽しめる心の余裕を作ることのできた旅でした。

また行こうと思います!


なんとなく

糊付け日和

糊付け日和

数週間前に梅雨入りをしましたが、夏のような暑い日が続いています。
西日が照り付ける3時半ごろ、西に向かって下校する上ムスメですが、今年から旗を持って下級生を連れて帰る役目があるので、迎えに行ってあげたい気持ちをグッと抑えています。
マスクをしながらの、登下校は暑いと思うし、今年は昨年に引き続き学校のプールも中止になるし、自然学校も泊りでなく、日帰りになるしと、子どもたちはコロナの影響をたっぷりと受けています。
オトナは、「大変やな~、可哀そうやな~」と悲観的に考えがちですが、まさに“今を生きる”我が家の長女さんは、日々の一瞬一瞬を楽しみ、そんな姿を見てニュースや新聞を見て文句をたれている自分を反省したりしています。

最近の暑さは、身体には大変ですが仕事には都合の良いこともあり、染色や糊付けの糸が気持ちよく乾いてくれます。草木などの自然なものを相手にする仕事は、数値では測れない“なんとなく”の感覚がとても大切です。
染色の時は、糸の染まり具合や染液の色を見て“なんとなく”の感覚に頼りながら見極めをします。糊付けの時も、その日の晴れ具合や湿度を見ながらなんとなく糊の濃さを変えます。
この“なんとなく”感覚は、経験をつ見重ねることでしか見につきません。そして私の持っている何となく基準と他の人の持っているなんとなく基準は、違うと思うし比べることも難しい。

染色や糊付け、そしてすべての工程の中で常に自分の中の“なんとなく”感覚に耳を澄ませて、感じていきたいと思います。


repeat

三本目の帯

三本目の帯

同じ柄の帯のオーダーを三回頂き、先日三本目を織り上げました。同じ柄の同じ色ですが、染めるたびに色も微妙に違い、糸の雰囲気も違い、布味も違います。色や糸の太さ撚りの柔らかさすべてが合わさって、布味を作ることが身をもって実感できました。

一つ一つが違う布になる、手紡ぎ草木染、手織りの面白さを感じた一本でした。


yellow

黄色

黄色

運動会後の4連休です。我が家の場合、運動会の代休がくっつくので、上のムスメは5連休。宿題も終わらせ身軽になったムスメとともに、海釣りに行ったりお友達と遊んだりとお休みを満喫しています。

染色が続いておりましたが、ひと段落しました。今回は黄色に染まる染料を2種類使いました。柳とこぶな草。他にはヤマモモでも黄色に染まります。柳は普段使う染料ではないのですが、今回リクエストがあり、柳染めを行いました。同じ黄色でも染料によって、色味や雰囲気が違います。一番よく使うこぶな草は、踊りだしそうな陽気な黄色になるし、ヤマモモの枝葉で染める黄色は、大地に根付いたようなどっしりと落ち着きのある黄色になります。そして今回使った柳は、明るいけどはかなげな優しさを感じる黄色になりました。
丹波布の場合、昔は黄色として染めることはなく黄色に染めた糸の上に藍で染め重ねて緑色にしていたそうです。草や葉が染料の場合、退色が心配なので私はこぶな草で染めるときは、ヤマモモの皮を少し入れて煮出すようにしています。そして、茶色を染めるときよりも1,2回分多めに染めて色を入れ込むようにしています。
しつこめに染めた黄色は、深みのある良い色になってくれました。
染め上がった糸を太陽光の下でほれぼれと眺め色の確認をする時、染色の楽しさを実感します。

海釣り

海釣り


染色と料理

染色月間

染色月間

台風10号の影響を心配しておりましたが、幸い丹波は時折強い風が吹きつけたり、雨が降る程度で済んでおります。テレビで九州地方などの強風強雨の映像をみると、その地にいる方の恐怖や心配はとても大きいだろうな、と想像して「台風よ小さくなれ!」と祈らずにいられません。
さて、先週は2回リモートトークがあり、それも終了してホッとしております。インスタグラムでの着物小売りやさんとのトークショーでは、古いアイフォンのバッテリーが弱く、途中何度か途切れてしまい変な汗をいっぱいかきましたが、どちらも新しい経験で楽しかったです。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。
インスタグラムでのトークショーは、youtubeで視聴できるようです。「銀座もとじ」さんのホームページでご確認ください。
この銀座もとじさんのトークショーは、私個人の仕事ではなく関わっている「丹波布技術保存会技術者協会」の展示会の一環で行われました。なので、協会のみんなの代表、またまた丹波布を皆さんに知っていただく入り口にもなるわけで、大きなものを背負っての出演でした。「間違ったこと言ったらアカン」と事前に文献を読んだり、丹波布の大先輩に色々聞いたりと下調べをして臨みました。弱っちいバッテリーのせいで、視聴された方にはお見苦しいところがあってご迷惑をおかけしてしまいましたが、緊張感をもって下調べをしたおかげで、自身の丹波布に対する知識が少し厚くなりました。

目の前のことに、しっかり取り組めば自分の身になるのだな、と実感いたしました。

8月の終わりから始まった染色ですが、柳が無事に染め上がり、ただいまこぶな草で黄色や緑を染めています。頼まれ染めも含めてなので、大量の糸を染めているのですが、鍋回しや段取りを常に考えながらの作業は、効率と美味しさを求める料理とよく似ています。そんなことを考えながら染めていると、12時に。慌てて台所に昼ご飯の支度をしに行きました。


remote !と工房からの風

オンラインお話会

オンラインお話会

文字通り残暑の厳しい日が続いています。そんな中、染色作業を始めました。今は取引先のご希望で、銀座で取れた柳で染めています。柳のあとは、こぶな草やヤマモモで黄色や緑を染める予定です。で、その後にグレー系の色を染めたいなと思っています。柳からグレー染めまで1か月ほどかかりそうです。グレーを染めるころには、気持ちの良い秋空が広がっているかなと想像しております。

さて、新型コロナウィルスが社会に様々な影響を与えておりますが、私自身の活動にもジワジワと変化が感じられます。先ずは、今年度の工房からの風が中止になったこと。久々の出展で喜びと緊張感を感じながら、出品アイテムやディスプレイ方法をどうしようかと考え始めていたころに中止が決まりました。
感染拡大の状況とイベント内容から致し方ないのですが、やはり残念で少し気の抜けた気分になっておりましたが、その後リモートお話会、インスタグラムでのトークショーといったカタカナ用語が多く入ったイベントの依頼をいただき、違った意味での緊張感を感じております。

先ずは、9月2日に開催されるソシエテリベルテさん主催のオンラインお話会「不便な田舎の自由な暮らし」です。丹波の暮らしやものつくりに興味を持っておられる方へ向けて、私の暮らしをお話させていただきます。ご興味のある方は、是非ご参加くださいませ。
zoomでパワーポイントの画像がスムーズに共有できるのか、操作に自信がありませんが訥々とお話させていただきたいと思います。詳細は下記の通りです。

お話会詳細

お話会詳細


the best timing

梅の枝で染色

梅の枝で染色

どんよりとした空が垂れ込めています。毎年だと雪がちらつきそうなお天気ですが、今日は雨がしとしとと降っています。昨日上ムスメと友人とで、リトルマーメイドのミュージカルを観てきました。明るくてカラフルで素直に「楽しい!」と感じられ、衣装や舞台の作り、歌やダンスなど“ホンモノ”に触れられ、心豊かな一日を過ごすことができました。チケット代に無頓着な我がムスメは、無邪気に「もう一回行きたい!」と言っていました。喜んでくれてうれしかったのですが、こちらは「そうやね~」と遠くをみながら相槌を打つしかできませんでした 。

さて、先々週から梅で糸を染めています。赤味のある色を染めたくて、染料を保管している元風呂場をゴソゴソしていたら、2006年に切った梅の枝が出てきました。随分前に切ったまま使っていなかったので、少々不安を感じながら染めてみると、赤味が飛んだのか元々なかったのか、見事こっくりした茶色に染まってしまいました。媒染前の段階から染液や糸に入った色を見て「やばいぞ~」と思ったため、週末ムスメ達が自転車で遊んでいる傍で、家の前栽にある梅の若枝をパチパチと切り落とし、小さく刻んだり皮をむいたりして、染料としての梅をあわてて確保しました。
新鮮な梅は、煮出すと透明度のある黄色っぽい染液がとれ、それを一晩おいて染めると赤味のある茶色が糸に入ってくれました。その糸を一晩置き、風にさらし石灰で媒染した後さらに風にさらすと、少しづつ赤味を帯びてくれます。「茶色じゃないよ~、赤ですよ~」と祈るように糸を観察しながらゆっくりゆっくり染めました。そして、そのうちの一枷はおはぐろで鉄媒染し、梅鼠色に。

古い枝で取った染料は、どろっとした茶色い液が出ましたが、新鮮な枝は染まるのかな?と心配になるほどの透明度のある液でした。染料は採取に最適な時期があるのですが、保管にも賞味期限のように美味しくー染料の持つ色がきれいに出る期限があるのだな、と学びました。
そして庭や山を見渡して、採取の時期さえ合えば、わざわざ乾燥して保管しなくても新鮮なまま染料を使える環境に住んでいることに遅まきながら、はっと気づかされました。なんと恵まれた環境にいるんだと、ひとりほくそ笑んでいます。


love COCO

さんぽ

さんぽ

穏やかな天気が続いています。インフルエンザに罹ったかと思ったムスメですが、気管支系の風邪だったようで、結局先週いっぱいこども園をお休みすることになりました。「ママなにしとるん?」と質問攻めにあいながら、看病しながら染めたり織ったりする一週間でした。
すっかり元気になり、今週からこども園に行き始めてくれたのでやっと自分のペースで動くことができ、ほっとしています。看病中は制作が遅れることについて「しょうがない。後で取り戻そう」と諦めの境地で、心は穏やかなのですがいつものペースに戻り取り戻さないといけない日々を迎えると、予定に間に合うのか!と心がざわざわしてきます。
そんな時、ココさんと散歩したりぼんやり座っている様子を見ると、一日は24時間しかないし手は二本だけ、バタバタ焦ってもしょうがないな、と少し心が落ち着きます。
だんだん年を取ってきて、動きがさらにゆっくりとなってきたココさん。もともと穏やかなのんびりした犬ですが、さらにゆったりとまるで瞑想をしているような様子のココさん。タプタプになった下あごを触ったり、貫禄の出てきた背中をワシャワシャと撫でながら、なるべく長く一緒にいましょうと話しかけています。

さてさて、新しい染色材料として使ってみた竹。私の住む村は竹かごの産地として、昔は青年団の男性が副業として作っていました。かつては輸出もされていたようで、地元用の商品を作る人と輸出用の商品を作る人がいたそうです。今は二人の方が技術を持って作っていらっしゃいます。その竹かごに作る中で残った破片をいただいて染めました。予想通り色は付かず糸の乾燥と共に少し白くなったような気が…。今回は染めない染色だったのですが、次回は色を引き出せるか試してみたいと思います。

coconut erasmus

coconut erasmus


I am at the mercy of the weather !

 

重ね染め

重ね染め

機織りしながら、藍色の糸にこぶな草の黄色を重ねて、緑色にしたり、着尺用の糸に糊をつけたり、バタバタと工房を出たり入ったりする日々を過ごしています。
制作上やりたいことや、やるべき事がたくさんあるときほど、他の用事もやってきて今日はそれに日中の大半の時間を取られている自分を「ようやるな~」と俯瞰しながら、今夜は夜なべを覚悟しています。

丹波は秋が深まると、朝霧が出る日が増えます。朝霧の出る日は日中晴れるのですが、霧が晴れるのは早くて9時頃。晴れても3時くらいには曇ってきたりと、お天気が良く動きます。そのため、染色や糊付けの時は、太陽の動きにこちらが振り回されます。特に糊付けは、なるべく太陽の光で乾かしたいので、一番長く日が当たるところに竿を持って行って干し、夕方になると西側に竿を持って行ったりと、糸のかかった竿を持ってうろうろしています。

今日も日中はぽかぽかとお日さまが照っていたのですが、夕方の早い時間には雲が出てきました。そうなると、家に糸を竿ごと持って入り、今は薪ストーブの前で、ゆっくりと乾かしています。うまくいけば、明日の朝には糊が乾いているはず。縞もきっちり決めぬまま、糊付けを急いだので夜なべがてら、縞のイメージを固めていきます。

糊付け中

糊付け中


こっくりした色

こぶな草で染める

こぶな草で染める

急に秋が深まってきて、急に山の色も変わり始めたように思えます。八丈島で見た、こぶな草の黄色に触発されて、黄八丈で行われている染め方からヒントをもらいこぶな草で染色をしました。黄八丈では、媒染する前に何度も何度もこぶな草の染液に漬けてあげるそう。絹と木綿の違いがあるので、染液の温度や染まり具合は違うのですが、温度を上げすぎないよう、糸に負担がかかりすぎないよう注意しながら、何度も何度も染液に漬けてみました。
媒染して染め上がった黄色は、いつもの輝くような黄色ではなく、こっくりした黄色に染まってくれました。こぶな草はよく使う染料ですが、今回の染で新たな面を見ることができた気持ちです。

制作以外の家や家族のこと以外の、諸々の用事がドバっと降りかかって、きりきり舞いの日々ですが時々染まりあがった糸を眺めて楽しんでいます。