命を削る

神様へ

神様へ

窯焚き

窯焚き

陶芸家である主人の窯焚きが、終わりました。土を作り、薪の準備をし、作品を作るという、半年間かけてのプロセスの中の、最後の大切な工程です。ピンっと張り詰めた緊張と、炎の状態に耳を傾ける静けさと、ゴールに近づく高揚感も混ざったこの作業は、毎回側で見ているだけでも、終わると少々ぐったりとしてしまいます。一週間の窯焚き中、ずっと祈っているような感覚です。何か静かな祭り事を営んでいるようにも思えます。

分野は、違いますが自然の力を借りながら、作る仕事をされている方の奥様のお話の中で「命を削りながら、作っている」という言葉が印象に残りました。炎と対峙している主人を見て、本当にその通りだなと思ったのと同時に、私自身もの作りにしっかり向き合えているのか、もっともっと向き合おうと背中をドンっと押された気持ちになりました。