2014年7月3日
かぶら玉
糸紡ぎのお話です。
糸を紡ぐ時、綿をひきだし、糸車でよりをかけて糸にします。できた糸は糸車の心棒に巻きつけていきます。この作業を繰り返すと、巻きついた糸がどんどんたまり、厚くなって写真のような形になります。適当な大きさになると、糸車から外します。これ一つで20g弱の重さになります。着物分だと、60個くらい必要です。
三つできると、一つの綛(かせ)にします。
丹波布では、これを“かぶら玉”と呼んでいます。野菜の蕪からきた名前のようですが、私のかぶら玉はふくよかさが足りず、いつもあっさりした形になってしまいます。
これが布になるまでの、第一歩。日々こつこつ紡がないと、なかなか十分な量になりません。そして、美しい糸を紡がないと、美しい布にもなってくれません。単純な作業のようで、ハードルが高い。ゴールはないなと、紡ぐたびに思います。