mottainai

煮出した後のヤシャブシの実

煮だし後のヤシャブシの実

モノカラーの織りの二本目に挑戦中です。昨年度は、以前に織った布のリピートや決まった柄を織ることが多く、リピートとは柄や色だけでなく、その布の持つ“雰囲気”も再現することなんだな、ということに気付いたり、深く考えるチャンスをもらえました。その、ちょっとマジメな感じでに取り組んできた反動があるのか、今、自分自身でテーマを決め、自由に自身も感性もパーっと開放して製作している事がとても楽しく、体や気持ちをグッと伸ばしている気分になります。

モノカラー第2弾で、緯糸を染めるのにヤシャブシの実を使いました。こぶな草のような葉とは違い、木の皮や実は何度も煮出して染液を取ることができます。今回使ったヤシャブシの実も5,6回煮出した後のものを使いました。煮出しては、まだいけるからと乾かして保存し、またそれを繰り返したものを使いました。今回取った染液は薄くはなっていましたが、また次に色を出してくれそうだったので、薄く染めるときのために、乾かして保存しようと思います。
捨てるのはまだもったいない、と何度も煮出し、乾かし、また煮出しと、使わせてもらっています。


monocolor

色とりどり

色とりどり

暑い日が続きましたが、空や空気が秋を感じさせてくれます。工房では、織に精を出しております。順調にサクサクと進んでいるので、もう一本織れそうな気がして、タンスから残り糸を引っ張り出してきて、休憩の時間に糸を並べ、デザインに頭を悩ませております。今織っている布も、次に織ろうとしている布も、糸味をテーマに色は極力抑え単色に近い形で、でも草木で染める面白さを表現したいと思っています。
そう思って周囲を見回すと、濃淡はあるものの単色の多いこと。単色といっても全く同じ色ではなくそれぞれが違う色で濃さや色味が違う。栗も葉っぱもそしてココさんも!栗も一つ一つ違う色だし、葉っぱも場所によって微妙に色が違う。ココさんも表の毛と中の毛の色も違うし、生えている場所によっても違う。だから自然界のものは、写真に撮ってもベターっとした印象では映らないんだと、納得しました。
次は色とりどりのグレーを並べた布を織ってみたいと思っています。


経糸巻き

栗で染めた糸

栗で染めた糸

二週間遅れで、やっと一本織上がりました。織りあがった布を機からおろした途端に、糊付けした経糸に飛びついて、糸枠にくるくる巻いています。
経糸巻きは、糸枠に糊付けした糸を巻いていくのですが、真ん中をふっくらした形に巻くと、次の整経で糸が出やすく、作業がスムーズに進みます。私はこの経糸巻きがへたっぴで、糸の配分がおかしくなることが多く、真ん中がふっくらせず、上の方が分厚くなってしまいます。そんな形に巻いてしまうと、整経の時に糸がゴソッと枠から外れることもあり、余計な手間がかかったりします。

丹波布は素材の糸作りから織り上げまで全て手作業で行います。昔は分業もしていたようですが、今はすべての工程を一人で行います。その最初から最後まで自分の責任で作り上げるところが、誰のせいにすることもなく潔く、大好きなのですが、それぞれの工程がすべてつながっていて、一つをおろそかにすると必ず次の工程に影響が出ます。とても正直でストレートです。一つ一つの工程を大切に、と自分に言い聞かせながら、今夜も経糸をグルグル巻きます。
 


a good week

colorful brown

colorful brown

夏より暑い日が続いていました。上ムスメは、モワーッとした猛暑の中、毎日運動会の練習があり、臭い体操服と共にクタクタになって帰ってきています。今日は気温がやっと下がり、体操服の臭いは激減し、本人の機嫌もかなり良く、数日前よりは楽に過ごせていたようです。

親の私の方は、暑い中糸を紡ぎ機織りをし、次の一本に向けて経糸に糊をつけ、ココさんと共にたっぷりと工房で過ごし、良い日々を過ごせています。今週は特に糸を紡ぐことに時間を割くことができて、とても充実した気持ちになりました。
日々こつこつと続けることでしか、糸はたまっていきません。紡いだら紡いだ分だけ糸は増え、太さや撚りも安定してきます。そう、こつこつと続けないと良い糸もできないし、糸も増えない。でも、色んな工程の中でついつい後回しにしてしまうのが、糸紡ぎです。糸を紡いでいると、目の前のことにあくせくせず、先を見て行動することの大切さを感じます。そんなことも、すぐ忘れて目の前のことにジタバタしてしまうのですが、今週は糸紡ぎの教えを感じ取ることができました。引き続き、糸紡ぎに時間を割いていきたいと思っています。


love colors

hachijo blue etc

hachijo blue etc

10日間ほど八丈島に行ってきました。こだまで東京に行き、横浜で展示会をしていた主人と合流し、フェリーに乗って10時間、八丈島に到着しました。太陽の光の強さなのか、海の深さなのか、昔の噴火で砂や岩が黒いからなのか、濃く深い青色を見ることができました。
湿度と太陽の力で、全ての植物が強いエネルギーを持ってゴンゴン茂り、その緑の中に平屋の家が存在して人が住む。そしてその先には、深い青い海。流人の島としても知られる八丈島ですが、色んな人を受け入れ、様々な文化が入り、それが島に残っていることを所々で見る事ができました。黄八丈の組合の方と話すことができ、共感したり教わったりと良い時間を過ごせました。文化も歴史もとてもとても興味深い所でした。
滞在中は御蔵島にも泊まり、野生のイルカと泳ぎ、八丈島では亀と出会ってこちらも一緒に泳いだりと、ハッピーな出会いを経験することができました。

空、海、葉っぱ、花、魚たち、そして黄八丈の色。色んな色を楽しませていただいた旅でした。黄八丈の会館で見せていただいた、こぶな草の茶色味のある黄金色。絹糸だったので再現は難しいですが、こぶな草でしつこく染めた黄色を染め上げてみたいと思っています。
また行きたいな~


endless

染色三昧

染色三昧

大きな台風が日本を通り過ぎていきました。台風が来る前も来た後も、じりじりと刺すような日差しが照りつけ、相変わらず暑い日が続いています。
数日前から始めた染色も佳境に入ってきておりますが、余った染液を使って重ね染めをしたり、放冷中や媒染中の火を使わない“鍋の合間”に別の染料を煮出してみたりと、「ついで染め」を始めてしまい、染色作業の終わりが見えなくなってきています。
暑い日に火を使い、染色を行うと汗だくになるのですが、これがなかなか心地よく染色ハイになるようです。染める前はなかなか腰が上がらないのですが、染め始めるとどんどん楽しくなり、どんどん染め続けることになってしまいました。
染色は“待ち”の時間が多いので、合間に家事や織り、紡ぎなど色んなことができます。同時に色んなことが進み、得をした気分で一日を終えることができます。明日明後日で合間合間に用事を挟みながら、染め上げていく予定です。


what a nice day !!!

良き日

良き日

お盆真っ只中ですが、我が家は主人の展示会などが入り、いつもと変わらない毎日を送っています。ムスメ達もそれぞれお盆の特別保育などで、こども園とアフタースクールにお世話になっています。
私は、久々に日中のすべての時間を制作に使え、織ったり染めたりサクサクと仕事が進み明日への勢いと仕事の目途もつき、とても効率的に気持ち良く仕事の進んだ日でした。

夕方は食後にムスメ達と犬の散歩。台風前の湿った風に吹かれながら、心地の良い時を過ごしました。大きな台風が接近しているとのこと。どこにも被害がないことを祈るばかりです。


very middle of summer

日本海の夕日

日本海の夕日

夏真っ盛りです。暑い日が続いております。上ムスメの学校の地区水泳も中止になり、アフタースクールも暑すぎて外で遊べない日が続いたりと、なかなかコドモタチも大変そうです。
そんな中、毎年私が生まれた時からずーっと行っている海に行ってきました。服を着てビーチにいると五分と持たないような茹だるような日でしたが、海の水は冷たく気持ちよく、魚もいっぱいいて上ムスメは今年初のフィンをはき、イルカのように泳ぎ回り、下ムスメは足の届かないところも平気で浮き輪でパチャパチャと動き回っていました。
三日間の滞在でしたが、日焼け止めを塗ったはずなのに家族全員茶色に染め上がっています。海の向こうに沈む太陽を見ることができ、大好きな茜色の空を楽しむことができ、とても良い夏の中休みができました。

海に行ったり、プールに行ったり、ムスメ達の送迎をしたりしながら、私自身も相変わらず用事が盛りだくさんの毎日です。相方の主人も盛りだくさんで、展示会が続きあまり家に居らず、こどもの迎えがままならない時もあります。実家の両親が小一時間かけてここまで来るには、頼みにくい様なコドモ達の迎えなどを誰かに頼まないといけない時、助けてくれるのが近所のムスメの同級生の母ちゃんたち。いつも快く引き受けてくれて、本当に助かっています。
つくづく子育ては夫婦だけでは難しく、周りのサポートがあるから心の余裕を持ってできるんだな、と感じています。そして、私もお互い様精神で逆の場合は快く引き受けたいなと強く思いました。


GREEN !

さんぽみち

さんぽみち

湿度と温度の高い日が続いています。そこらじゅうの植物たちが、すごいエネルギーでどんどんと伸びてきています。山々や田んぼ、あぜ道に負けじ我が家の草たちも、グングンと伸びジャングルのようになってきました。そろそろ草刈や草引きをしないといけないな~、この草が花だったら草引きしなくていいのにね、とかなわぬ事を思いながら夕方ビール片手に庭を眺めていました。
さて、夏休みです。始まって1週間が経ちました。このブログを書きながら、まだ1週間しか経っていないことに少しびっくりしています。平日はこども園やアフタースクールに行ってくれているのですが、それを差し引いてもPTAで回ってくるプール当番に行ったり、実家近くのプールに遊びに行ったり、映画を観に行ったりと中々盛りだくさんの夏休みを既に過ごしています。
ラジオ体操に遅れないよう起こしたり、アフタースクール用のお弁当を毎朝入れたりといつもと比べて面倒なことはありますが、プールで遊んだり映画を観たりと、コドモ達の好きな事を一緒に楽しむという貴重な時間を過ごしています。今、機上げをして明日には織り始める事の出来そうな帯も、ぼちぼち進めながら賑やかに健やかに夏を過ごしたいと思います。

上ムスメと観た「アラジン」、これからの女の子たちへの応援のように感じ、ポップコーンをパクパク食べながら映画に見入っていたムスメの隣で、ひっそりと涙ぐみながら観ていました。


久しぶりのこと

お手伝い

お手伝い

経糸は、巻いたものの縞が決まり切らず立ち止まっています。そんなスローペースな私の隣で、すんごい勢いでロクロを回し、あっという間に窯詰をし、夏の展示会に向かって窯焚きを始めた、我が旦那さん。
どう見ても寝ていないので、珍しくこちらからオファーをして窯焚きのお手伝いをすることにしました。涼やかな風の吹く気持ちの良い夜に犬のマンゴーと共に、窯の前で火の番をしました。

夜の山は、耳を澄ませば枝が揺れる音や枝が折れる音などが聞こえたり、たまに不思議な匂いがしたりなど、いろんな想像力がかきたてられます。隣で寝そべり、ウトウトしている嗅覚も聴覚もヒトより何倍も何倍も優れているはずの犬、マンゴーを見てなんとなく安心し、本を片手に火の番を楽しみました。
昼と比べると違った雰囲気の山に身を置くと、妖怪や精霊ってきっといるな、自然の生き物も物の怪もこの世にゴチャッと一緒にいるんやな、ということを実感し、謙虚にそしてなんとなく楽しい気持ちになれた夜でした。

これからは、窯の温度も上がりハードな窯焚きになっていくので後方支援にまわりたいと思います。